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【ニュースと時代に強くなる 日刊ゲンダイ特選100冊】

中年サラリーマン 受難の時代にしたたかに生き抜く

【書籍・書評】

楽天SocialNewsに投稿!
2011年9月12日 掲載

(11)サラリーマン生活 推薦者・西山昭彦氏(東京女学館大教授)

 震災不況が重くのしかかる。賃金カットにボーナス減、リストラ、そして増税も……。中年サラリーマン受難の時代は続く。経験だけではどうにもならない。したたかに生き抜いていくための知識が絶対に必要になる。東京ガス西山経営研究所所長で東京女学館大教授(経営学博士)の西山昭彦氏と、日刊ゲンダイ本紙編集部サラリーマン情報担当デスクが選んだ、いま目を通しておきたい7冊だ。



<「エグゼクティブ秘書の「気配り」メモ」佐藤直子著>

 日産自動車でエグゼクティブの秘書として20年間働いてきた著者が、大切にしている47の心遣いを紹介。たとえばエレベーターで乗り合わせた上司には無理に気負わず「この瞬間、この縁を大切にしています」という一期一会の気持ちであいさつをすることが大切だという。この際、会話の中身にはこだわらなくてもよい。同じ会社だから話すタイミングはいつでもあると思わず、二度と来ない今を共有したという時間意識を持つことが、上質の気配りにつながるというのだ。
(すばる舎 1300円)


<「『キャリアアップ』のバカヤロー」常見陽平著>

 元リクルート社員で、人材コンサルタントの著者が、「キャリアアップ」の名の下に陥る自己啓発と転職の罠について解説した一冊。先が見えない日本企業の中で、雇用不安にかられて報われない自分磨きに走る真面目な人々の行方を考察している。自己啓発書やセルフブランディングに毒され、情報発信せねばと焦るあまりに自らのバカさ加減をウェブ経由で宣伝し、せっかく取得した資格を“地雷”にしてしまう痛い事例なども紹介。
 著者自身のキャリアの変遷にも言及している。
(講談社 876円)



<「コンサルティングとは何か」堀紘一著>

 銀行窓口から生命保険の営業まで、「コンサルティング」という言葉は多用されているが、本来コンサルティングとは“経営戦略”コンサルティングを意味するという。企業の根幹を左右する経営戦略のコンサルティングは、傭兵(ようへい)を使って戦争する文化を持つ欧米では抵抗なく受け入れられたものの、何でも自前で抱え込む日本では多くの反発に遭った。著者が関わったホンダやユニ・チャームの成功事例や、コンサルティングが成立せず破綻したJALの事例など、その裏話が興味深い。
(PHP研究所 820円)




<「六〇歳から始める小さな仕事」瀬川正仁著>

 就職してからずっと生活第一で必死に働き続けてきたシニアたち。そんな人が、第2のステージで始める仕事とはどんなものなのか。本書は、新たなスタートを切った28人の仕事模様を追ったルポルタージュだ。
 編集者から古本屋へ、化粧品のトップセールスマンからペットの散歩屋へ、旅行業から葬儀屋へと、転身の形は人それぞれ。前職の経験を生かしたもの、子どもの頃からの興味がよみがえったもの、親の介護から着想を得てビジネス化したものなど、背景は異なるものの、改めて働くことに喜びを見いだす姿が共通して見えてくる。
(バジリコ 1400円)



<「企業再生 7つの鉄則」植田統著>

 経営危機には、資金繰りには困っていないが収益悪化が見える「予備的段階」、予備的段階が続き手元のキャッシュが手薄になる「危機的段階」、私的・公的整理によって債務削減を図らなければならない「危機段階」の3段階がある。
 本書は各段階からの再生方法について事例を挙げて解説。予備的段階からの復活例としては富士フイルムがある。フィルム市場の縮小が見えた段階で医療画像や光学デバイスなどの新規事業への投資を行い、事業に合わせて組織変更や早期からのリストラも実施。他分野に展開可能なコア技術を武器に、本当の危機に陥る前に変身を果たした同社に学ぶことは多い。
(日本経済新聞出版社 1800円)



<「いちばん安心できる『お金の授業』」榊原正幸著>

 会社も国もあてにならない昨今、将来に対する漠然とした不安をどう解消したらいいのかを、大学教授が講義形式で解説。自分の成長を志向する生き方と、今ある幸せを守る充実志向の生き方のバランスを考えながら、それを支える経済的基盤を築くことが大切。たとえば充実志向なら、お金を使わないで得られる幸福を発見することや、お金を目的とせずに「いい時間を持てること」を行動の指針とする「時間主義経済」への転換などがお勧めだ。
(PHP研究所 1400円)



<「仕事ができる人の勉強机の作り方」西山昭彦著>

「人生で一番大事な投資は専用机だ」と断言する著者が、人が成長するための考える場所と時間を提供する机と書斎の効用を説く。
 独身時代は自分の机や書斎を持っていた人でも、結婚して子どもが生まれるとそれを失うことは少なくない。仮に32歳で子どもに居場所を奪われ、55歳で復活すると、23年間も家庭の中で自己投資に必要な場所を失うことになる。自分のスペースを確保・拡大することは、家庭内権力闘争だと著者は断言する。段階的に復帰させるべく、畳一畳分の机と椅子からスタートして少しずつ陣地を拡大させていくなど、涙ぐましい努力に思わず共感する人もいるはずだ。
(PHP研究所 1400円)



~2011年9月12日以前の記事~

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